博士適性試験


 一緒に実験をしている院生の Qualifying exam が終わった。
 こちらの大学院では、大学院に入ってある程度経った時点(〜数年。研究科による。)で Qualifying exam、通称 Quals と呼ばれる博士適性試験を受ける。で、この試験をパスしたら Ph. D candidate (博士候補生)になれる。落ちてももう1回は受けられるけど、それでダメだったらもう博士にはなれない(この辺もたぶん研究科による。残念賞として修士号はもらえるところもあるらしい)。


 彼の所属する研究科の場合、試験は口頭試問。まず今やっているプロジェクトについてトークをして、その後コミッティメンバー (適性試験のために集められた教授4〜5人)からの質問を受ける。質疑応答の時間は特に決められていなくて、コミッティメンバーが疑問に思う限り何時間でもぶっ通しで質問に答えないといけない。質問はプロジェクトに関すること(「その計画がうまくいかなかったらどうするの?」等)かもしれないし、プロジェクトには直接関係ないけど神経科学者なら知っておくべき知識に関すること(例えばケーブル方程式等)かもしれない。


 まあ彼は優秀なので大丈夫だろう、と思っていたけど、案の定これまでの最短記録で質疑応答を終了。コミッティメンバーの一人はうちのボスなので、あとでセッション後の審議の様子を聞くと、


教授A:「彼が候補生として必要な閾値を越えていることはよく判った。彼が閾値よりどの程度上なのかを議論することで、私達の時間を無駄に使う必要があるだろうか?」
教授B:「ない」
教授C:「ない」
教授D:「ない」


 で終わりだったらしい。適当だ・・・。


 ひとまずおめでとう。まあ大変なのはこれからなんだけど。