2009-01-01から1年間の記事一覧

最初の言葉

多くの言語圏で母親を表す言葉はなぜか共通して「ママ(mama, mamma)」かそれに類するもので、また赤ちゃんがしゃべる最初の言葉も多くの場合「ママ」だと言われている。Caltech出身の院生が紹介してくれた説によると、これらの不思議な(?)一致の原因は…

Peer Review 1945

今日の動画。 Open access journal...

(外から見た)事業仕分け雑感

日本では「事業仕分け」という名のもとで研究予算等の縮小・再編が行われているらしい。公開された議論を聞いていると、質問者・回答者の双方に準備不足の面があるようには感じるけれど、枠組みとしてはこういう議論の場が出来たことは良いことだと思う。 た…

SfN2009雑感

シカゴでのSociety for Neuroscienceに行ってきた。毎年世界中から3万人ぐらいが集まる神経科学のお祭りみたいな学会。学会そのものと、そこで触れた考えについての雑感。メモ。 === Clay Reidラボは相変わらずすごい。もうあの辺で出来ることは全部やってや…

構造モデルと意味モデルと事前情報を用いて視覚経験を「再構成」

Gallantラボの自然画像デコーディング論文第2弾。前回のカードトリック論文(Kay et al. 2008)(fMRIで記録された脳活動を解析することで、任意の120枚の自然画像のうち被験者がどれを見ていたかを当てる。)をさらに推し進めて、もう少し視覚経験の「再構成」…

遺伝子治療で色覚異常を治す

Gene therapy for red–green colour blindness in adult primates Katherine Mancuso, William W. Hauswirth, Qiuhong Li, Thomas B. Connor, James A. Kuchenbecker, Matthew C. Mauck, Jay Neitz & Maureen Neitz Nature Advance online publication 16 Se…

オープンソースカメラ

デジタルカメラ・ビデオにLinuxを積んで、撮影制御や画像処理を全部オープンソースでやってしまおうという話があるらしい。スタンフォードの院生を中心としたプロジェクト。 (Open-source camera could revolutionize digital photography Stanford Universi…

はいはいする双子

うちの子の定期検診に小児科医院に行ったところ、1歳過ぎの双子の赤ちゃんとそのお母さんが来ていた。双子はもう相当にはいはいの達人になっていて、お母さんがちょっと早足で歩かないと捕まらないぐらいの速度で動き回っていた。 問題は、たまに彼らが互い…

科学者とマスメディア

今日の漫画。SMBCより。 あるあ・・・る? 以下雑感。 科学者が常態として行っている対話は(1)文脈をほぼ完全に共有した同業者と(2)特定の事象それ自体についての理解を深めるべく行うものであって、科学者はこの種類の対話に関して膨大な訓練を受けてい…

3次元手ぶれ補正(知覚補正付き)

(ちょっと遅ればせながら)今年のSIGGRAPHで発表された手ぶれ補正アルゴリズムは面白いと思った。素人が撮ったぶれぶれのビデオを後からソフトウェア的に修正してくれるというもの。ウィスコンシン大学とアドビ社の共同研究。 Content-Preserving Warps for…

赤池氏永眠

AIC(赤池情報量規準)の赤池弘次さんが亡くなったらしい。享年81歳。日本人の名を冠した業績で、これほどよく利用されているものを他に知らない。 ちょうどラボに遊びに来ていた統計の院生(イスラエル人)がAICを使ってL0ペナルティの実装云々という話をし…

animate / inanimate

高次視覚野細胞の反応を調べるに、モノを見たときに脳が一番気にしているのはそれがanimateかinanimateかということらしい*1。つまり、生き物(とくに動物)かそうでないか。 同僚(英語話者)と昼ご飯を食べていたらその話になったので、そういえば日本語で…