科学者とマスメディア

 今日の漫画。SMBCより。


http://zs1.smbc-comics.com/comics/20090830.gif


 あるあ・・・る?




 以下雑感。


 科学者が常態として行っている対話は(1)文脈をほぼ完全に共有した同業者と(2)特定の事象それ自体についての理解を深めるべく行うものであって、科学者はこの種類の対話に関して膨大な訓練を受けている。一方で、記者との対話は(1')ほぼ共通の文脈を持たず(2')事象それ自体よりもそれが社会にどういう影響をもたらすかという一側面(のみ)に着目したいという動機の元に行われるもので、そこで必要とされる能力は本業で必要とされるそれと全く異なる。自然状態で後者が不得手な科学者が多いのは必然だと思う。


 科学者/記者間のコミュニケーションの出来不出来は双方の訓練具合に依存する。個人的には、本業としてそういう種類のコミュニケーションをするべく専門的な訓練を受けた(はずの)記者側にもっとがんばってほしいと思うのだけど、今後はそうとばかりも言っていられなくなるのだろう。でも例えばさすがに統計の知識が高校生レベルの記者なり記事なりを見かけると(平均と分散ぐらいは知っている。ユーイサって何? 呪文?*1)、ちょっと萎えるというか途方に暮れる。

*1:いや実際呪文みたいなものかも知れないのだけど。