2007-01-01から1年間の記事一覧

2007年の神経科学ブレークスルー

Science誌が2007年を振り返る「Breakthrough of the year」という特集を組んでいる。 Special Online Collection: Breakthrough of the Year 2007 Science. Special Issue, 21 December 2007 最も大きく取り上げられているのは、人の遺伝的多様性が安く簡単…

年賀状

日本への年賀状を書いて出したら戻ってきた。どうも今年の5月に国際ハガキの値段が75セントから90セントに値上がりしたらしい。去年買った切手をそのまま使っていた・・・。もう元旦には間に合わないかも? かなり意気消沈。 というわけでアメリカ在住…

(たぶん)神経科学ニュース

神経科学関連のニュースを表示させてみた(右コラム)。特定のキーワードを含むニュースを自動的に拾ってくる。 Google Gadgets を利用したもの。 キーワードを調整してだいたい脳・神経科学っぽいニュースを拾ってくるようにしたつもり。でも今や「脳」とい…

映像の世紀・人体・世紀を超えて

ハーバード大学医学部留学・独立日記 世紀を越えて (島岡さん)に触発されてノスタルジックな映像を・・・。 20世紀末のNHKスペシャルのいくつかは非常に印象的だった。今でもその音楽と、ちょっと独特のオープニング映像が鮮明に記憶に残っている。 …

Homo bayesianis

(Inference, do you know it? Mike West, Duke University より) HOMO NEUROSCIENTISTUS: [ "[Θ|X]" | X ] ? Homo frequentistus はヒト以前? いろいろ怒られそうな・・・。

徴兵制雑感

徴兵制が話題らしいので思ったことを書いてみる / メモ。 ドイツ出身の学生と徴兵制について話す機会があった。ドイツには今も徴兵制があり、彼はすでに兵役を済ませてアメリカに来ている。実際やってみて、徴兵制って正直どうなの? と聞くと、まあ問題はあ…

12月の日々

文章を書くとやはりというか未だに「a」「the」「単数・複数」あたりをごちゃごちゃ直される。でもある人に見てもらって「a」から「the」に直された箇所が、別の人に見せたらまた「a」に戻っていたりするので、この辺にはゆらぎがあるらしい。あるいはゆらぎ…

有機ELディスプレイ

日本で SONY が11インチの有機ELディスプレイを発売したらしい。メモ。 (Japan timesの記事より) 応答速度が数μ秒単位、コントラスト比 1,000,000:1 以上ということで、これがもっと大きくなれば実験にも使えるかも。 研究目的での使用に耐えうる性能の…

サイエンスをやめるとき

同僚のポスドクが一人、アカデミアの世界から去ることになった。研究室に来て3年、芳しい結果が出せず、夫婦でアカデミアの世界に居続けることはほぼ不可能(奥さんもアカデミアの世界で生きている。)と判断し、彼のほうが身を引くことにしたと。 次の職は…

Brainbow

微妙に話題に乗り遅れたようだけど、 (ALSAの解説記事より) Brainbow はきれいだ。 Transgenic strategies for combinatorial expression of fluorescent proteins in the nervous system. Livet J, Weissman TA, Kang H, Draft RW, Lu J, Bennis RA, Sane…

働き方三様

SfN(神経科学学会)2007で San Diego に行っていた。友人が近くの Scripps という私立の研究所で働いていて、数ヶ月ぶりに会って話をした。元気な様子。 友人夫妻の住む La Jolla という San Diego 近郊の市には Scripps のほかにも UCSD と Salk という著…

秋の日々、院生、バッカス

(A)実験をしながら、(B)実験の仕方を教えながら、(C)学会発表の準備をしていたので、非常に忙しいこの頃だった。(A)と(B)が片付いたのが先週末で、もう学会まで1週間を切っているという状況だったのだけど、とりあえずなんとかなりそう。 午前帰りになる日…

脳冷却器

Brain radiator Invention, October 04, 2007 冷やすとてんかんが収まるのか。まあそうか。 なんか日本語だなあと思ったら山口大学医学部の先生による特許らしい。 頭蓋内埋め込み型大脳冷却装置 平成19年(2007年)8月公開特許 論文はたぶんこれかな? ペル…

覚醒・行動中の動物の神経活動をイメージング

ああついに、出ましたね。覚醒・行動中の動物の神経活動を2光子顕微鏡を使って細胞単位でイメージング。 Imaging Large-Scale Neural Activity with Cellular Resolution in Awake, Mobile Mice Daniel A. Dombeck, Anton N. Khabbaz, Forrest Collman, Tho…

学者の生活

毎年この時期になると話題になるこれ。今年も話題になったのでメモ。 A Scary Letter from Poo Lab@UC Berkeley (「カリフォルニア大学バークレー校のPoo教授がラボメンバーに向けた恐ろしい手紙」) M. Poo教授はシナプス可塑性(特にSTDP)の研究で超有名…

Resident Evil : Extinction

「Resident Evil : Extinction」を観に行った。日本のカプコンが作ったゲーム「バイオハザード」を映画化したものの3作目。TrailerがYoutubeに↓。 感想・その他 まあまあ面白かった。スピーディーな佳作。ちょっと椎名誠を思い出す。 「ゾンビというのは知…

文字が大きくなる

素朴な疑問。 コンピュータに不慣れな人からたまに 「コンピュータに表示される文字が大きくなってしまった。直して!」 と言われるのだけど、たいていの場合それは文字が大きくなったというよりは、何かの加減で画面解像度が低くなっている。 なんでそれが…

DARPAチャレンジに脳科学

ついに神経科学者にもDARPAチャレンジに参加する機会が? DARPA(米国防省高等研究計画局)が新たにDARPA数学チャレンジというのを発表したらしい。23個*1あるチャレンジ(後部に記載)のうち、一つ目が Mathematical Challenge One: The Mathematics of t…

BCIの脳に対する影響?

Wired Vision にこんな記事が。どう捉えて良いのかよく判らない記事だけどメモ。 「脳で操作するゲーム」が登場、危惧の声も Emmet Cole 2007年09月11日 頭で考えるだけでコンピューターを操作できる「ブレイン=コンピューター・インターフェース」(BCI)を…

アルミヘルメットの有効性

今日のメールより。MITメディアラボによる研究。 On the Effectiveness of Aluminium Foil Helmets: An Empirical Study (アルミホイルによるヘルメットの有効性について:実証的研究) Ali Rahimi, Ben Recht , Jason Taylor , Noah Vawter 政府が衛星…

Compiz fusion

実験準備がなかなか整わないので、合間を見ていろいろ不具合が出ていた kubuntu を7.04 (Feisty Fawn*1)にアップデートした。ついでに話題の Compiz Fusion という3次元デスクトップ環境を入れてみた。 FOSSwire >> How To: Compiz Fusion on Ubuntu 7.04…

ものもち

ものもち話3題。 - 実験上ちょっと特殊な器具が欲しくなったので、研究科付属の工房に頼んで作ってもらおうかという話をしていた。そうするとボスがキャンパス内の同業者に聞いて、そういう器具を持っていて貸してくれる人がいないか調べてくれることになっ…

青背景に黒字

プレゼンで青背景に黒字を使う人がいるけど見難いのでやめてほしい。視覚の専門家であるはずの人たちがこれをやるのを見るとちょっとドキドキする。 ヒトの網膜には光電変換を行うための光受容細胞(デジカメにおけるCCD素子みたいなもの。)が並んでいて…

「SiCKO」

いろいろ話題になっている「SiCKO(シッコ)」を観に行った。Michael Moore 監督がアメリカの医療政策問題を描いたドキュメント映画。思ったことをダラダラと書いてみる。ネタばれ・・・を気にするような映画でもないかな? アメリカに来てまだ間もない頃、…

動きと奥行き

良い depth from motion というか motion parallax の例を見つけたのでメモ。 (Jim Gasperini's home on the Webより) ←(はてなブックマーク経由)←(デイリーポータルZ:プルプル立体猫写真) stereoblind の同僚に見せたら「俺にも立体に見えるよ! coo…

規則的な文法のゆらぎ?

(追記あり:8/16) 日本では携帯小説(携帯で読める小説? 携帯で書いた小説?)というのが話題らしい。で、そこで書かれている文章がひどいという話があるらしい。でも例に挙がっている一人の著者に関して言うと、そこにはある種の規則があるような気がす…

お別れパーティー

アメリカでは夏は別れの季節。いろいろ遊びに行っていた友人夫妻が2組も引っ越してしまうので、うちでささやかなホームパーティーを開く。たこ焼きとお好み焼きともんじゃ焼きで粉物パーティー。 一組はプチリタイアしてアラスカで悠々自適の生活へ。一組は…

科学者と政治家の距離感

所属している北米神経科学学会の事務局からたまにメールが届く。先日のメールの題名は THANK YOUR REPRESENTATIVES: House Passes NSF Spending Bill あなたの代議士にお礼を言いましょう:下院がNSF(全米科学財団)の予算を承認しました。 NSF(あえ…

並列処理

Parallel Scripting Now!だんなだんな、20XX年を待たずとも、それってもうPugsでできまっせ。 Matzにっき(2006-11-27) プログラミング言語も超メニーコアの時代になって、 1PCに65536個くらいCPUが載るようになると並列性を人間に取り扱える形で(つまり、あ…

SFNのトークなど

ミーティングルームに今年の北米神経科学学会*1のプログラムがあったのでちょっと見てみた。 今年の特別レクチャーの目玉は Jeff Hawkins さんらしい。Palm Computing の創始者で、それで稼いだお金で私設の神経科学研究所(Redwood Neuroscience Institute…