学者の生活


 毎年この時期になると話題になるこれ。今年も話題になったのでメモ。


A Scary Letter from Poo Lab@UC Berkeley
(「カリフォルニア大学バークレー校のPoo教授がラボメンバーに向けた恐ろしい手紙」)


 M. Poo教授はシナプス可塑性(特にSTDP)の研究で超有名な神経科学者。その彼がラボメンバー向けに書いたメールがなぜかブログに流れている。


 抜粋すると

  • 成功した若手研究者の勤務時間は週60時間以上。
  • とりあえず週50時間は働け。*1
  • 平日の休みは年20日が限度。
  • ポスドクまでに?) Nature 2本出していれば少しゆっくりしても良い。
  • 仕事は少なくとも Journal of Neuroscience レベルのものを。


 まあ・・・思ったほど恐くはない? 感覚が麻痺しているのかも知れないけど、何しろあの Poo ラボなのでもっと恐ろしいことを言っているかと思った。


 基本的にアカデミアを目指す院生・ポスドクは数年後には独立した研究者となることを期待されているわけで*2、その水準に達していなければ困るのは自分。現状を考えると、上の項目はたぶん妥当なのだろう。ああ世知辛い・・・。


 ついでに

Lack of sleep may be deadly, research shows
(睡眠不足は死を招く)
Reuters, September 24, 2007


 まあほどほどに。

*1:続けて曰く「これは私が今、また過去に働いてきた時間よりはるかに少ない。あなたは私より賢いかもしれないし、あるいは私ほどの成功は求めていないかもしれない。でも私と同じぐらい働けと要求しているわけではないのだ。」

*2:こちらでは日本のように教授の下に準教授・助教がいるわけではなく、最初の Assistant Professor の段階で独立したラボの長。金策・人集めから実験・教育まで全部自分の責任。