覚醒・行動中の動物の神経活動をイメージング


 ああついに、出ましたね。覚醒・行動中の動物の神経活動を2光子顕微鏡を使って細胞単位でイメージング。


Imaging Large-Scale Neural Activity with Cellular Resolution in Awake, Mobile Mice
Daniel A. Dombeck, Anton N. Khabbaz, Forrest Collman, Thomas L. Adelman, and David W. Tank
Neuron Volume 56, Issue 1, 4 October 2007, Pages 43-57


 頭を固定した状態でトレッドミル上を歩かせている。固定をちゃんとしたら運動による脳の動きは5ミクロン程度までに抑えられると。更にそれでも抑えきれない画像のぶれは隠れマルコフモデルを応用して補正してやる(←まだちゃんと読んでない。)ことで対処できましたと。


 神経細胞だけじゃなくてグリア細胞(astrocyte)のカルシウム活動も見られますと。去年のSfNで一次視覚野のグリア細胞の方位選択性を調べていた人がいたけど、こっちもまた新しい分野として確立していくのかも。神経細胞→グリア、グリア→グリア、グリア→神経細胞のどの経路でも信号伝達が出来ることは確認されているわけで、グリアが少なくとも局所回路の情報処理に関わっていてもそんなに不思議ではない、と思う。*1


 今後も神経科学をやろうと思ったら、(自分で使うかどうかは別として)こういう技術が存在することを前提とした上で何が出来るかを考えないといけない。

*1:そうなるともう neuroscience ではなくなるなあ。neuro-glial science、略してNG science? ダメ?