2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

公共事業としての科学

日本では景気・雇用対策の一環として建設業が大きな役割を果たしている。アメリカではある程度それに類する形で、軍事産業が同じ役割を果たしているように思う。しかし両者は環境あるいは人類に対する悪影響が大きい。またどちらも一定のレベルを超えるとそ…

tax return

アメリカは確定申告の季節。今年はラボでも人気の TurboTax というオンラインソフトを使ってみたら、数時間で終わってしまった。こちらに来た初年度は大学主催の外国人向け講習会に行ったり研究留学ガイドや若菜さんのページを見ながらほぼ丸1日かけて申請…

「面白いからです」とNicolelisさんは言った。

Miguel Nicolelis (@Duke University) さんのトークがあるというので聞きに行く。脳・マシン・インターフェース*1の大御所。内容はあまり目新しくなかったので雰囲気のメモ。 (Nicolelis さんとロボットアーム。BBCのページより) 運動領野にある多数(〜数…

論文数とビール消費量の関係

科学者の論文数とビール消費量との間には負の相関があるらしい。 For Scientists, a Beer Test Shows Results as a Litmus Test By CAROL KAESUK YOON The New York Times, March 18, 2008 たぶん元ネタとなった論文はこれ。A possible role of social activ…

今日の雑談

ラボで話していて、DARPA(国防高等研究計画局)からお金をもらうことについてどう思うか、という話になる。国防省のヒモ付き予算。うちのラボは(幸いにも?)これまでのところ DARPA への予算申請をするに至ったことはないのだけど、わりと身近な神経科学研…

SFAA翻訳 [13-24]-[13-25]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-24]-[13-25])。optic_frog さんが後の部分を担当してくださったので、第13章は一応これでおしまい。あとはレビュー。 (第13章の続き) 健全な質問の精神を推奨する。 科学、数学および技術は、それらを実践している人々による…

SFAA翻訳 [13-21]-[13-23]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-21]-[13-23])。 (第13章の続き)科学教育は科学の価値を反映したものであるべきだ。 科学は単なる知識の集合以上のものであり、またその知識を蓄積したり正当性を確認する手法以上のものである。それはいくつかの人間の価値を…

SFAA翻訳 [13-18]-[13-20]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-18]-[13-20])。 (第13章の続き) チームで学ばせる。 科学及び技術研究の持つ協同的な性質は、教室で頻繁にグループ活動を行わせることによって強く補強するべきである。科学者や技術者はほとんどの場合グループで仕事をして…

方位コラム構造と選択性・種間比較・ネコの夢

今週号の Neuron から。Ringach ラボと Carandini ラボの共同研究。 Neuronal Selectivity and Local Map Structure in Visual Cortex Ian Nauhaus, Andrea Benucci, Matteo Carandini and Dario L. Ringach Volume 57, Issue 5, 13 March 2008, Pages 673-6…

SFAA翻訳 [13-14]-[13-17]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-14]-[13-17])。 (第13章の続き) 証拠の収集とその扱い方に注目する。 生徒が与えられる課題は、――その成熟段階にふさわしい範囲で――その課題に関係のある証拠は何かを生徒が判断することが要求され、またその証拠が何を意味…

SFAA翻訳 [13-9]-[13-13]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-9]-[13-13])。 (第13章の続き) 予想は成果に影響する。 生徒は、何は学べそうで何はそうでないかという自分自身の予想に影響を受ける。もし彼らが何かを学べると信じているなら、それが式を解くことであろうと自転車に乗るこ…

ある種のマインドリーディングが実現されたという論文とそのニュースについて

(追記:タイトルが気に入らなかったので変えてみた。) fMRIを使ってある種のマインドリーディングが出来るようになった(被験者が何を見ているかを当てられた)という論文の話(前半)と、日本のマスメディアももうちょっとがんばってほしい、という話(後…

このニュースの伝播の様子。

上で取り上げた論文が出てからのニュースの伝播の様子を見ていた。Nature 誌上での発表から数時間後にはすでにいくつかのメディアが取り上げ、1日目の時点でアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・インド・クロアチア・オーストラリア・カタール・ロシア・…

SFAA翻訳 [13-6]-[13-8]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-6]-[13-8])。 (第13章の続き) 学習は通常の場合、具体から抽象へと進展していく。 若い人がもっとも容易に学習できることは、具体的で彼らの感覚によって直接体験することが出来ることである――見て、聞いて、触って、体を動…

SFAA翻訳 [13-1]-[13-5]

Science For All Americans翻訳プロジェクトにちょっと参加してみる。『Science For All Americans』という本(Webにも全文公開されている)がとても素晴らしいので、日本語でも読めるように勝手に翻訳しようというプロジェクト。id:sivad さんが提案され黒…

3月初め

気がつけば3月。 院生の論文がもうすぐ公になるということでプレス向けに情報が公開されたらしく、ボスのところに取材申し込みが殺到してちょっとしたお祭り騒ぎになっている(その論文に potasiumch は関与していない。残念)。スポンサー絡みのインタビュ…