動きと奥行き
良い depth from motion というか motion parallax の例を見つけたのでメモ。
(Jim Gasperini's home on the Webより)
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stereoblind の同僚に見せたら「俺にも立体に見えるよ! cool だ!」と喜んでいた。
条件反射で dRDS*1 でやったらどうなるんだろうと思ってやってみた。
まあそうなるか。これもある種の structure from motion ではある。
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一次視覚野の段階で動きと両眼視差の情報はジョイント・エンコーディングされているという話があって↓
Joint-encoding of motion and depth by visual cortical neurons: neural basis of the Pulfrich effect.
Anzai A, Ohzawa I, Freeman RD.
Nat Neurosci. 2001 May;4(5):513-8.
これで説明できるだろうかと一瞬考えたけれど、プルフリッヒ効果の場合と違ってこの場合は固定眼への入力が遅くなるわけではないので、対称的な動きなのに奥と手前がそれぞれ別に知覚出来る理由が説明できないか。もっと広域の情報を集めたあとの処理? MSTとかLIPとかCIPとか?
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今気づいたのだけど、この論文 Cumming ラボが全力で否定しにかかっていたらしい。2005年中に同じ著者で論文3本も出てるし。
The stroboscopic Pulfrich effect is not evidence for the joint encoding of motion and depth.
J Vis. 2005 May 17;5(5):417-34.
Read JC, Cumming BG.
心理実験をした結果、プルフリッヒ効果はジョイントエンコーディングの証拠ではないかもと。両眼の時間差つきの仮現運動を刺激に使った実験をやっていて、眼球運動の影響で実際に視差が生まれることがプルフリッヒ効果の原因では、という話(たぶん)。
Effect of interocular delay on disparity-selective v1 neurons: relationship to stereoacuity and the pulfrich effect.
Read JC, Cumming BG.
J Neurophysiol. 2005 Aug;94(2):1541-53. Epub 2005 Mar 23.
生理実験をしたら、そもそも視差と運動をジョイントエンコーディングしている細胞は(彼らの系では)あんまり見つからなかったと。
All Pulfrich-like illusions can be explained without joint encoding of motion and disparity.
Read JC, Cumming BG.
J Vis. 2005 Dec 19;5(11):901-27.
シミュレーションをしたら、視差と運動を完全に別にコーディングしたとしても population で見ればプルフリッヒ効果は全部説明できてしまうよ、と。
あとでちゃんと読むかも。
ある種の情報処理をしてそうな細胞があるということ、実際に脳がその情報を使っているということとの距離を埋めるのは難しい。
pooneil さんのエントリに触発されたエントリ。どういうスタンスでブログを書くかは未だに模索中・・・。
*1:dynamic random-dot stereogram