ものもち


 ものもち話3題。

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 実験上ちょっと特殊な器具が欲しくなったので、研究科付属の工房に頼んで作ってもらおうかという話をしていた。そうするとボスがキャンパス内の同業者に聞いて、そういう器具を持っていて貸してくれる人がいないか調べてくれることになった。その結果、実験系をたたんでしまうという教授がいて、必要なものがあれば何でも持って行って良いという話に。


 で行ってみたら、ちょうど目的のものがあった。他にも買えば数十万円から数百万円はする機材がごろごろあり、うちで使いそうなものをいくつか有難く頂く。すばらしい。何でも言ってみるものだ。これ今回は部品単位の話だけれど、自分でラボを立ち上げるときにこういう機会に恵まれるかどうかはかなり大きな差だよな、と思った。


 キャンパス内に限らず、神経科学者SNSとか、同業者コミュニティでこういう「ください/あげます」情報がやり取りできれば良いと思う*1。でも日本の大学の場合は備品の受け渡しは難しいのかな? トレースできればよい?

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 工房とものもちと言えば、うちの研究科にある工房の工作機械は退役した戦艦(warship)の工作室にあったものを海軍から払い下げてきたものらしい。何でもリサイクル。なので装甲とか大砲みたいなものを加工・補修するのは得意だけど、細かいものは苦手、という噂というかジョークが。それを気にしているわけではないけど、なんとなく大き目のものはそこに、小さめのものは眼科付属の工房に頼むようにしている。

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 アメリカ人は意外と(?)ものもちが良い。実験器具でも使えるものはおそろしく古いものでも使うし、街には日本ではとても走っていないようなボロボロの車が走っている。ほとんど毎週末のように近所でガレージセールがあり、個人がいらなくなったものを庭先に並べて安価で売っている。それは10年もの? 20年もの? というようなテレビが売れて行ったりする。


 基本的に格差社会先進国(?)なので、誰かがいらないと思ったモノでも誰かは欲しいと思っている。日本人のような新品信仰みたいなものが希薄で、細かいことは気にしない。動けば無問題。日本の「もったいない」というのとは少し違う形でリサイクル・リユースが出来ている面があると思う。

 格差社会は環境に低負荷? まあ旧式のボロボロ低燃費車で走るのもどうかとは思うけれど。


 

*1:もうやっていたりする?