効率よく探し物をするには
Search Goal Tunes Visual Features Optimally
Vidhya Navalpakkam and Laurent Itti
Neuron, Vol 53, 605-617, 15 February 2007
探し物(visual search)を効率よく行うために重要なのは、目標物とそれ以外(distractor)を区別することである。この観点から言うと、探し物に役立つニューロンは必ずしも目標物そのものをコードするニューロンではなく、よりよく両者を区別出来るニューロンである。で、実際ヒトはそういうやり方で(必ずしも目標物でもdistractorでもない情報をうまく使って)探し物をしている、という論文。
でもニューロンのデータはなくてシミュレーションと心理実験だけ。Pougetさんによるレビューが同じ号に↓
Paying Attention to Neurons with Discriminating Taste
Alexandre Pouget, and Daphné Bavelier
Neuron, Vol 53, 473-475, 15 February 2007
思ったこと:
- 最近の研究で、V4のレベルで既に目標物依存で選択性が変化する(例えば0度の線分を探しているときには0度の線分に一番よく反応するようになる、など。)という現象が見つかっている。こういうのとは整合性があるのだろうか? とりあえず選択性変化はないものとしてモデル化しているように見えるけど。
- 著者らのモデルが正しいとして、反応差が最大になっているニューロンを見つけ出すアルゴリズムというのはどうなっているのだろう。今回の実験・シミュレーションのように特徴が低次元な場合は良いとしても、実世界では目標物・distractorの組み合わせは無数にあるわけで、どのニューロンにトップダウンで影響を与えるべきかを知る(observer's beliefを形成する)のは結構大変なのでは*1 *2。
- データがとても綺麗。