In vivo two-photon imaging: update


Two-photon calcium imaging 技術のアップデート。


In Vivo Simultaneous Tracing and Ca2+ Imaging of Local Neuronal Circuits
Shin Nagayama, Shaoqun Zeng, Wenhui Xiong, Max L. Fletcher, Arjun V. Masurkar, Douglas J. Davis, Vincent A. Pieribone, and Wei R. Chen
Neuron, Vol 53, 789-803, 15 March 2007


 In vivoでCa指示薬を細胞内に導入するには、これまで


(1) 細胞内にガラスピペットを刺入して入れる。(Svoboda et al. 1997)
(2) 指示薬をAM-ester化(こうすると細胞膜を通過する。)した上で bulk loading。(Stosiek et al. 2003, Ohki et al. 2005)


という方法が取られていて、(1)は dendrite、axon レベルまで細かく見ることが出来る反面、多数の細胞を見るのに適していない、(2)だと多数の細胞の反応を見ることは出来るけど、細胞の細かい構造をはっきり見るところまで高コントラストな画像を得ることが難しい、という利点・欠点があった。


 今回のNagayamaさん(永山さん? 長山さん?)の論文では、electroporation で指示薬を導入することで、複数細胞の反応を細胞内の構造(dendritic spineやaxon button)が見えるレベルで可視化することに成功した、とのこと。

 とりあえず barrel coretx と olfactory bulb で記録していて、ヒゲを触ったり匂い分子をかがせたりして信号が(dendriteの位置毎に分けて!)見えることを確認している。


 AM-ester化による bulk loading と比較すると

・bulk loading
  数百μm内のほぼ全ての細胞を染める。

・electroporation
  数十μm内の細胞をsparseに染める。

という違いがある。sparseに染まるというのは、この手法の利点、つまり細かい細胞構造を可視化するという意味では良い点でもあるとのこと。



 感想。すごい。anatomical な形態の情報を得つつ多細胞の反応が見れると。

 本当に最近のImaging技術の進歩するスピードはすごいと思う。あと技術的に残っている大きな問題は、

  1. spikeが見たい(部分的には既にクリア。)
  2. awake behaving で見たい(そろそろ出てくる?)
  3. 表面に出ている皮質だけじゃなく奥のほうまで見たい(光学的に難しい??)

というところか。