パプリカ
同僚に薦められたので近くの映画館まで「パプリカ」という映画を観に行く。日本のアニメ。日本ではすでにDVDになっているみたいだけど、こちらでは上映が始まったばかり。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2007/05/23
- メディア: DVD
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夢を映像化したり他人の夢に入り込んだり出来る機械が出来たのだけど、それが研究所から盗まれてしまって大変だ、という話。
ちょっと神経科学的に妄想してみる。空想中の視野領域の retinotopic map を調べたとか、空想している視覚パターンを読み取ったという研究は(かなり低解像度ながら)すでにあるので(↓)、夢の映像化の方はがんばれば何とかなるのかもしれない。操作する方は・・・非侵襲ではちょっと無理? TMS?
Visual mental imagery induces retinotopically organized activation of early visual areas.
Slotnick SD, Thompson WL, Kosslyn SM.
Cereb Cortex. 2005 Oct;15(10):1570-83. Epub 2005 Feb 2.
Inverse retinotopy: inferring the visual content of images from brain activation patterns.
Thirion B, Duchesnay E, Hubbard E, Dubois J, Poline JB, Lebihan D, Dehaene S.
Neuroimage. 2006 Dec;33(4):1104-16. Epub 2006 Oct 9.
そういえば劇中では頭頂葉あたりに機械をつけているように見えたけど、それっていいのだろうか。視聴覚をデコードしたいなら後頭葉か側頭葉、五感も含めて統合結果を見たい(操作したい)なら前頭前野あたりにつけるのが筋ではないだろうか。妄想終わり。
しかし夢をデコードしたところで、何の意味があるのだろう。つまり cool だということ以上の、科学的な意味づけについて。現時点では想像も出来ないような何かが見つかったりするのかな?
筒井康隆の原作をだいぶ昔に読んだのだけど、内容はあらかた忘れていたのでそれなりには楽しめた。でも2007年(日本では2006年)の今あえて映画化する必要はあったのかな? という感じもした。動きは良かったけれど絵とかストーリー・キャラ設定がちょっと昔っぽいような。ストーリーに関しては原作が1993年なので仕方がないか。まあ値段分($9.50)の元は取れた。主には映像を楽しむ映画。
クレジットに「文化庁」とあった。日本政府がアニメ支援をするというのは本気なのか。
日本語音声で英語字幕というのが妙な気分。アメリカでは日本ほど声優という職業が成り立っていないので、下手な吹き替えをされるよりは字幕のほうが良いのだ、とは薦めてくれた同僚の談。
ちなみにその同僚は生粋のアメリカ人で、日本のアニメが好き、特に「Ghost in the shell(攻殻機動隊)」とか「serial experiments lain」が好きという、ある意味で非常に判りやすい趣味を持った物理屋さん。たぶんサイバーパンクとかポストモダンとか。まあそうやって日本に好印象を持ってくれるなら政府が支援する意味もあるのかも。
久々に聴きたくなったので serial experiments lain のオープニング。この曲の雰囲気結構好み。