休日の収穫 Stand Alone Complex


 今更ながら、攻殻機動隊 Stand Alone Complex (S.A.C.)という日本のTVアニメシリーズ(2002, 2004)を見た。面白かった。
 原作の漫画と一本目の映画は大分前に見たことがあって、まあまあ面白いなあというぐらいの印象だったのだけど、TVシリーズはそれらとは別物と言えるぐらいに格段に良かった。確かにアメリカ人が絶賛するというのもよく判る。日本アニメの一つの到達点と言って良いのでは。SF としても面白いし、ストーリーもよく練られている。TVシリーズながら絵も綺麗。


 最も感情を揺さぶられるのがタチコマという子どもみたいな声でしゃべる思考ロボット(多脚戦車)達の言動というのがまた、やられた、という感じだった*1。ある意味で主人公はタチコマ達。「Stand Alone Complex」というテーマ(諸々の解釈があるようだけど、個人的な解釈としては個別に動作するエージェントの複合体、また複合が生み出す創発的な性質)を純粋な形で表現するのにも、思考ロボットの集団という形態は適しているのだろう。



(挿入歌「I do」。菅野よう子の音楽も物語を引き立てている。)


 もうちょっと神経科学も関連してくる話かと思っていたら、SF 的側面はほぼコンピュータサイエンスと社会科学系の題材のみだった。そういう観点でいうと、 S.A.C. を作ったスタジオの最新作である「神霊狩」はもうちょっと神経科学系の話を混ぜ込もうとしていたのかもしれない(少なくともサブタイトルを見る限り)。それがああいう出来に終わったのは非常に残念。神経科学はまだ面白いお話が出来るほど進んでないか・・・。


 シーズン1の全26話収録 DVD-BOXが Amazon.com$99.97。同じものが日本では 42,000 円。日本語版は設定資料集等が付くらしいけど、それで値段がほぼ4倍ってまた相変わらずな。
 iTunes Store なら$50.99だけど英語吹き替え版のみ。

*1:もちろんこの辺は人によって感じ方が違うだろうけど。しかし 2nd GIG のあれはちょっと反則気味。