ものの値段、あるいは嗜好品の値段


今敏監督の作品を(パプリカに続き)もうちょっと見たいと思っていろいろ調べていたら・・・


Amazon.co.jp千年女優』 DVD
http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/21YF4GTP4NL._AA140_.jpg価格: ¥ 3,942


Amazon.com 『Millenium Actress (千年女優)』 DVD
http://g-ec2.images-amazon.com/images/I/51P8ACH0T0L._AA240_.jpgPrice: $12.49


 んー、なんでそうなるんだ? 今まで海外の作品が日本で発売されたときにオリジナルより高くなっているのは、訳をつけたり解説をつけたりする手間賃もあるし仕方ないかな、と思っていたのだけれど、これを見るとどうもそういう話ではないように思える。DVDの値段が基本的に日本で割高? この監督は日本よりアメリカでの評価が高いらしいけど、さすがに英語版の方が生産量が多い(割安に出来る)ということはない・・・よね?


 ふと思って今飲んでいる Robert Mondavi の安ワイン(でも結構おいしい)の値段を調べると、これも日本では倍以上するらしい。*1


 まあここまで極端な例は珍しいにしても、これまでの経験から判断するに、日本は


 生活必需品は安いけど文化的なものや嗜好品は割高


というある種の思想というか最適化がかなり進んだ国だという気がする。それが良いのか悪いのかは判らないけれど。


 「生活必需品」「文化」「嗜好品」「医療」「初等教育」「高等教育」等に分けて、同等のものを得られる貨幣のレートを国別に見たらちょっと面白いかも、と思った。つまり、どういう暮らしをしている人に最適化した国なのかについて。あと「子どもを一人成人させる平均コスト」とか。「同コスト/平均年収」とか*2。もうあるのかな? エンジェル係数的な。予想としては、日本人は文化や嗜好を持たなければ生きていける程度に裕福で、日本人を再生産できるほど金持ちではない。科学を志すためのコストは・・・どうかな。

*1:輸送コストはあるにしても倍か・・・。それならあまり買わないかも。

*2:アカデミアは貧乏と決まっているので、若いうちは1人ならまだしも2人目の子どもは厳しい。同僚の友人はそれでもがんばって2人目を目指して無事懐妊した(させた)のだけど、それが三つ子だと判ったとか。同僚は、その友人のあまりの憔悴具合を見ていられなかったと言っていた。判るなあ・・・。でもその状況で呆然としない同年代ってどのぐらいいるのだろうか? なおこの辺では幼稚園の相場は一人当たり月$700。子どもが12歳以下なら子どもだけで家で留守番させてはダメ。ちなみにその月$700の幼稚園で出る昼食はポテチらしい。「野菜は?」と聞いたら「お好みでトマトケチャップをつけられる」と言われたとか。