Nanotube radio/transmitter


人毛の1万分の1 「世界最小ラジオ」米で開発、医療分野へ応用も (via: Nao_uの日記


Nanotube Radio
K. Jensen, J. Weldon, H. Garcia, and A. Zettl
Nano Lett., 7 (11), 3508 -3511, 2007.
Supplementary materials(動画など。もちろん音声付き)


 分子1個で電波の受信だけでなく送信もできるらしい。これ上手くやれば電気生理の道具として使えるんじゃないだろうか。目的の場所までガラス電極で運んで electropolation して細胞内導入とか? それぞれ異なる周波数の電波を出すように調整すれば、ワイヤレスで多細胞同時記録なんかも出来たり? どのぐらいの強さの信号を出せるのだろう。ナノチューブが細胞内でとどまっているなら、クロニックに長期記録も可能? そもそもどういう信号を電波に乗せられるのだろう? 電位変化は?


 などと思っていたら同じことを考えている人が。

アルバータ大学化学部に所属するナノテクの専門家Jillian M. Buriak氏は、ナノラジオはその小ささのため、人の生きた細胞に挿入できる可能性があり、医学の分野で画期的な用途を開くことになるかもしれないと期待する。

(中略)

「この装置があれば、細胞の動きを調べたり、細胞に入って分子レベルで何かをできるようになるかもしれない。本当に素晴らしいことだ」。Buriak氏は現在、人の神経細胞とコンピューターチップの間でやり取りする方法を研究している。

(「世界初、カーボンナノチューブ分子1個の完全なラジオ」Wired Vision


 記事中に出てくるJillian M. Buriak さんのホームページ。化学者さん。これどのぐらい神経科学者がかかわっているのかなあ。


(余談)

  • うちのラボの物理屋さんに聞いたら、実はこの Zettl ラボの院生に友人がいるとか。その彼はバンドをやっていて、本当は論文内での実証例として自分のバンドの曲を流したかったらしい。でも諸々の大人の事情により「いとしのレイラ」になってしまったとのこと。残念でしたね。