2008-01-01から1年間の記事一覧

物理シミュレーション

無料で遊べる物理シミュレータがいろいろあるらしい。メモ。 Phun 2D物理シミュレータ。絵を描いたらそれが物理法則に基づいて動き出す。 OE-CAKE! 日本製の2D物理シミュレータ。同じくお絵かき的に使える。熱の概念があったり、写真を貼り付けたり出来…

日本は飢餓状態?

ボスがいきなり「いま日本は飢餓状態だというのは本当なのか?」と聞いてくるので、なんだそりゃと思って調べたらどうもこういう記事を見たらしい。 Japan's hunger becomes a dire warning for other nations Justin Norrie, Tokyo April 21, 2008 theage.c…

神は差異に宿る

今日の言葉遊び。 「神は差異に宿る」 とか言ってみる*1。 もちろん元は 「神は細部に宿る」 (God is in the details) 物理や数学の神様のことはあまりよく知らないのだけど、少なくとも脳みその神様はあまり細部にはこだわっていないような気がする。光走…

追悼: Edward Norton Lorenz

Edward Norton Lorenz (1917-2008) 気象学における天気および気候の予測問題の理論的基盤を固めて、現代の大気物理学・気象学のコンピュータによる研究基盤を確立するとともに、それに伴う決定論的カオスの発見によって、ニュートン以来の近代科学の自然観に…

Blender + python

3次元的な概念図やその他もろもろの作図をする必要があったので、ちょっと Blender + python を試してみた。ただ試すだけではすぐにやったことを忘れるので、備忘録を以下のサイトにまとめる。 Blender + python 備忘録 スクリプト言語 python でレンダリン…

知覚とコラム構造、安定性など

Bruce Cumming さん (@NIH/NEI) のトークがあるというので聞きに行く。初期視覚野における両眼視差表現の専門家で、今回はそれに知覚(判断)と神経活動の相関(choice probability)の時間的推移の話やコラム構造の話を絡めることで、ボトムアップを超えた…

ハイブリッド脳によって実現された知性

Abril F さん(@Loof Institute)のトークがあるというので聞きに行く。神経回路の大規模計算機シミュレーション(”バーチャル脳”)の権威。今回は神経生理学者との共同研究で、マウス脳とバーチャル脳をつなげることでハイブリッド脳を生成。その動作検証の一…

公共事業としての科学

日本では景気・雇用対策の一環として建設業が大きな役割を果たしている。アメリカではある程度それに類する形で、軍事産業が同じ役割を果たしているように思う。しかし両者は環境あるいは人類に対する悪影響が大きい。またどちらも一定のレベルを超えるとそ…

tax return

アメリカは確定申告の季節。今年はラボでも人気の TurboTax というオンラインソフトを使ってみたら、数時間で終わってしまった。こちらに来た初年度は大学主催の外国人向け講習会に行ったり研究留学ガイドや若菜さんのページを見ながらほぼ丸1日かけて申請…

「面白いからです」とNicolelisさんは言った。

Miguel Nicolelis (@Duke University) さんのトークがあるというので聞きに行く。脳・マシン・インターフェース*1の大御所。内容はあまり目新しくなかったので雰囲気のメモ。 (Nicolelis さんとロボットアーム。BBCのページより) 運動領野にある多数(〜数…

論文数とビール消費量の関係

科学者の論文数とビール消費量との間には負の相関があるらしい。 For Scientists, a Beer Test Shows Results as a Litmus Test By CAROL KAESUK YOON The New York Times, March 18, 2008 たぶん元ネタとなった論文はこれ。A possible role of social activ…

今日の雑談

ラボで話していて、DARPA(国防高等研究計画局)からお金をもらうことについてどう思うか、という話になる。国防省のヒモ付き予算。うちのラボは(幸いにも?)これまでのところ DARPA への予算申請をするに至ったことはないのだけど、わりと身近な神経科学研…

SFAA翻訳 [13-24]-[13-25]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-24]-[13-25])。optic_frog さんが後の部分を担当してくださったので、第13章は一応これでおしまい。あとはレビュー。 (第13章の続き) 健全な質問の精神を推奨する。 科学、数学および技術は、それらを実践している人々による…

SFAA翻訳 [13-21]-[13-23]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-21]-[13-23])。 (第13章の続き)科学教育は科学の価値を反映したものであるべきだ。 科学は単なる知識の集合以上のものであり、またその知識を蓄積したり正当性を確認する手法以上のものである。それはいくつかの人間の価値を…

SFAA翻訳 [13-18]-[13-20]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-18]-[13-20])。 (第13章の続き) チームで学ばせる。 科学及び技術研究の持つ協同的な性質は、教室で頻繁にグループ活動を行わせることによって強く補強するべきである。科学者や技術者はほとんどの場合グループで仕事をして…

方位コラム構造と選択性・種間比較・ネコの夢

今週号の Neuron から。Ringach ラボと Carandini ラボの共同研究。 Neuronal Selectivity and Local Map Structure in Visual Cortex Ian Nauhaus, Andrea Benucci, Matteo Carandini and Dario L. Ringach Volume 57, Issue 5, 13 March 2008, Pages 673-6…

SFAA翻訳 [13-14]-[13-17]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-14]-[13-17])。 (第13章の続き) 証拠の収集とその扱い方に注目する。 生徒が与えられる課題は、――その成熟段階にふさわしい範囲で――その課題に関係のある証拠は何かを生徒が判断することが要求され、またその証拠が何を意味…

SFAA翻訳 [13-9]-[13-13]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-9]-[13-13])。 (第13章の続き) 予想は成果に影響する。 生徒は、何は学べそうで何はそうでないかという自分自身の予想に影響を受ける。もし彼らが何かを学べると信じているなら、それが式を解くことであろうと自転車に乗るこ…

ある種のマインドリーディングが実現されたという論文とそのニュースについて

(追記:タイトルが気に入らなかったので変えてみた。) fMRIを使ってある種のマインドリーディングが出来るようになった(被験者が何を見ているかを当てられた)という論文の話(前半)と、日本のマスメディアももうちょっとがんばってほしい、という話(後…

このニュースの伝播の様子。

上で取り上げた論文が出てからのニュースの伝播の様子を見ていた。Nature 誌上での発表から数時間後にはすでにいくつかのメディアが取り上げ、1日目の時点でアメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・インド・クロアチア・オーストラリア・カタール・ロシア・…

SFAA翻訳 [13-6]-[13-8]

SFAA翻訳。第13章の続き([13-6]-[13-8])。 (第13章の続き) 学習は通常の場合、具体から抽象へと進展していく。 若い人がもっとも容易に学習できることは、具体的で彼らの感覚によって直接体験することが出来ることである――見て、聞いて、触って、体を動…

SFAA翻訳 [13-1]-[13-5]

Science For All Americans翻訳プロジェクトにちょっと参加してみる。『Science For All Americans』という本(Webにも全文公開されている)がとても素晴らしいので、日本語でも読めるように勝手に翻訳しようというプロジェクト。id:sivad さんが提案され黒…

3月初め

気がつけば3月。 院生の論文がもうすぐ公になるということでプレス向けに情報が公開されたらしく、ボスのところに取材申し込みが殺到してちょっとしたお祭り騒ぎになっている(その論文に potasiumch は関与していない。残念)。スポンサー絡みのインタビュ…

BrainTV

INSERM(フランス国立医学研究機構)から Jean-Philippe Lachaux さんが来たのでトークを聞きに行く。てんかんの患者さんに被験者になってもらい、脳機能マッピングや BCI (brain computer interface) 的なことをしたという話。 ある種のてんかんには薬が全…

イオン供給によるニューロン刺激

MIT から Luke Theogarajan さんが来たのでトークを聞きに行く。網膜埋め込み型の人工視覚デバイスを開発している人。前半はワイヤレスで電力と信号を供給できる網膜埋め込みデバイス開発の話で、後半は(電気刺激ではなく)イオン供給によって神経細胞を刺…

2月中旬、薬

風邪を引いた。あるいは症状的にいうと花粉症なのかもしれない。ちょっと時期的に早いような気もするけど、道には桜が咲き始めているのでやはりそうなのかも。 日本から持ってきた薬も切れたので、こちらでよく見る市販薬を使ってみた。話には聞いていたけれ…

諸々の次元圧縮

Image manifolds は面白そうという話に関連して、いろんなやり方を比較して試せるデモを見つけたのでメモ。 MANI fold Learning Matlab Demo Todd Wittman @ University of Minnesota matlab の gui が用意されていて、サンプルデータや自前のデータを様々な…

ところ変われば。

エルサレム出身の院生がローテーションで回ってきた。うちの大学院に入るためにアメリカに来るまでは、6年ほどイスラエル軍で働いていたらしい。そして今も予備役扱いなのでいつ召集がかかるか判らないとのこと。 といっても戦場に出ていたわけではなく、主…

Nanotube radio/transmitter

人毛の1万分の1 「世界最小ラジオ」米で開発、医療分野へ応用も (via: Nao_uの日記) Nanotube Radio K. Jensen, J. Weldon, H. Garcia, and A. Zettl Nano Lett., 7 (11), 3508 -3511, 2007. Supplementary materials(動画など。もちろん音声付き) 分…

1月末

先日始まった iTunes Movie Rentals を試してみた。なかなか良い感じ。ちょっと心配していた画質も、テレビ(32インチ、720p 液晶に HDMI 出力)で見るには十分だと思った。というか観たのは「Ratatouille」という Pixar の CGアニメなのだけど、最新のCGの…